HACCP義務化～もうすぐ始まります～
2018年6月、食品衛生法等の一部を改正する法律が公布され、2020年6月より施行される事になりました。施行日から1年間は経過期間として猶予されますが、2021年6月にはHACCP義務化がスタートします。
HACCP義務化により、食品製造現場の管理手法が今までとは大きく変わろうとしております。
ＨＡＣＣＰとは…
HACCP（ハサップ）とは、「Hazard（危害）」「Analysis（分析）」「Critical（重要）」「Control（管理）」「Point（点）」の略語で食品を製造する際の衛生管理の手法の事を言います。
今回の法改正により、食品を取り扱う会社は衛生管理の為に下記12手順を行うことが義務付けられました。
HACCPの12手順と7原則
- 手順1：HACCPのチームを編成する
- 手順2：製品の名称や種類、原材料、添加物などを記述する
- 手順3：製品を加熱して食べるのか、そのまま食べるのかといった用途や、主に誰が食べるのかという消費者を確認する
- 手順4：原材料の仕入れから最終製品の出荷まで製造工程の一覧図を作成する
- 手順5：製造工程一覧図が現場の認識とズレがないか確認する
- 手順6：各工程で危害要因になりそうなものを洗い出して分析し、対処方法を検討する
- 手順7：加熱殺菌や金属探知など危害要因を取り除くための重要管理点（CCP）を決定する
- 手順8：CCPが適切に制御されているかどうかを判定するための管理基準（CL）を設定する
- 手順9：CCPが適切に管理されているかどうかを確認するためのモニタリング方法を設定する
- 手順10：モニタリングした結果、CLから外れているときに行う改善措置を設定する
- 手順11：HACCPが適切に機能しているかを確認するための検証方法を設定する
- 手順12：HACCPを実施したことを記録に残し、保存するための方法を設定する。そのことでどの工程で問題が生じたのか、ひと目でわかるようにする。
以上の手順の中でも手順6～12が特に重要であり、「HACCPの7原則」と呼ばれています。
要するに何をすればいいの？
また業種や企業規模等の事情を考慮し、HACCPの義務には基準Aと基準Bが存在します。
・基準Ａ：専任の品質管理部門を有するなど一定以上の規模を有する業者や、屠畜場・食鳥処理場。
・基準Ｂ：小規模事業者、当該店舗での小売販売を目的とした製造加工調理事業者、提供する食品の種類が多く変更頻度が頻繁な業種
多くの飲食店や、膨大な種類の食品を扱う大型スーパーなどは基準Ｂになります。
基準Ｂに関しては12の手順すべてを行わなければいけないというわけでもありません。
最大の目的は「食中毒・異物混入を起こさない事」で、その為のマニュアルを作成し管理記録を残す事が要求されております。
飲食店では、食材の入荷時の梱包状態、賞味期限の確認、調理時間（加熱時間等）の管理、調理器具や清掃機具の使い分け・管理、トイレの衛生管理、衛生的な身だしなみの徹底といった辺りをマニュアルとして作成し、実施していく事になります。
身の回りの衛生を保つには？
さて、ここからが本題になります。
HACCPの目的は食中毒や異物混入を防ぐ事です。
異物の中でも最も気付きにくいのが体毛の落下。
体毛落下を防ぐ為のユニフォームとして、アンダーカバー付コックコートやパンツ、衛生帽のほかにマスク、リストバンド、ゴム手袋等の小物などもあります。
完全に異物混入を防ぐのでしたら、このような重装備が必要になるわけですが、ここまでの重装備が必要ではない職場の方が多いことでしょう。
居酒屋さんで衛生帽・マスクをしたまま料理を持って来られたら風情も何もありません。
それぞれの職場の課題に見合った機能のユニフォームをご用意ください。
それよりも、「重装備を用意すればもう安心」とはいかない点にご注意いただきたいです。
洗濯が疎かだと食中毒の元となりますし、古くなったままのユニフォームで働かれていては体毛どころかボタンや糸くず等の混入の恐れも出てきてしまいます。
肝心なのは、ユニフォームを衛生的に管理する事です。
こまめに洗濯を行い、汚れたユニフォームを着用しない事（ご家庭でなかなか落とせない汚れならば専門業者に洗濯してもらう事）。
傷んだユニフォームは無理に使い続けずすぐに交換する事。
たとえお客様から見えない場所でのお仕事であっても、常に清潔な格好であり続けることが、身の回りの衛生を保つ秘訣です。
HACCP義務化が始まる前に、ユニフォームで必要な機能の再確認と、管理方法の見直しを是非実施してください。（第7部 H.H.）
COORDINATE
男性
- コート BA1057-0
- エプロン CT2378-4
- 帽子 JW4654-4
女性
- コート BA1056-0
- エプロン CT2378-2
- 帽子 JW4654-2
※エプロンは異物混入を避けるため、ポケットはついておりません
