新しい”日本の味”を創るのは従来の形に捕らわれぬスタイルです。
今から約百年前に創業した老舗旅館が、四代目・星野佳路代表によって大転換。非日常的な空間とおもてなしが評判を呼び、星野リゾートは36の宿泊施設を運営するに至りました。2016年開業の日本旅館「星のや東京」も、その一つです。
「14の客室フロアをそれぞれ客室6室とお茶の間ラウンジから成る1つの旅館に見立てて重層化した、“塔の日本旅館”です」(広報:西川さん)
東京駅周辺らしく外観はおしゃれなビルですが、無垢の青森ヒバの大扉を入ると中は完全な和の空間。フロントもなく、畳敷きの廊下が奥へと続きます。「職人仕事や靴を脱いで上がる習慣など、旅館には古来の生活文化が凝縮されています。宿泊を通じて国内外のお客様に、日本文化を再発見していただくのが当館のねらいです」(西川さん)
中でも最も直接的に日本文化を体感できるのは、地下1階かもしれません。ボキューズ・ドール国際料理コンクールで日本人初のメダルを獲得した、浜田統之さんが料理長を勤めるダイニング。
「魚介など古くから日本人が親しんでいる食材を、従来の形に捕らわれない多彩な技術で調理した、オリジナルの “NIPPONキュイジーヌ” をご賞味いただいています」(料理長:浜田さん)
フランス料理のほか、イタリアンの修業経験もあるという料理長。共に働くスタッフも、バラエティー豊かな人材が揃っています。
「以前は和食店にいましたが、料理の幅を拡げたくて浜田シェフの下に入りました。今はとても新鮮な毎日です」(調理スタッフ:森沢さん)「お菓子にも山椒を使うなど、この店はすべてが斬新。菓子職人の黒服もかなり斬新ですが、涼しくて快適ですよ」(パティシエ:足立さん)
開業当初は白でしたが、料理より目立つことのないよう現在の色に改めた、とのこと。「お食事の始めにお客様に挨拶に出ますし、見慣れない料理などはお席に行ってご説明することも多い。制服はお客様の前に出るための正装でもあるんです」(調理スタッフ:土田さん)
「旅館のコンセプトや料理人の想い、調理の動線まで考えてつくられた制服なので、仕事のしやすさが全然違います。最近は同じ料理人のご来店も多いですが、皆さん “制服いいね” と褒めてくださる。やはり同業者は見映えばかりでなく、プロフェッショナルの仕事を高めてくれる機能を持った服だということが、一目でわかるようですね」(浜田さん)
伝統的なもの、普遍的なものの本質の素晴らしさを守るためには、時代に応じて柔軟に変化し、革新し続けることが不可欠なのかもしれません。
Coordinate
- シャツ QH7364-9(カスタマイズ加工)
- パンツ QL7363-9