菓子職人の新しい働き方、食材の流通にも挑戦「Patisserie Plaisiraile」

住宅地の中に小さくお店を構える「Patisserie Plaisiraile（パティスリープレジレイル）」。2020年5月に若きパティシエールによってオープンしたフランス菓子店です。この日も甘い香りが漂うお店の前には12時のオープンを待つお客さんで列ができていました。

10代の頃からパティシエールとして研鑽を積む中で、若手パティシエールの過酷な労働環境に疑問を抱かれた石渡さん。若い女性数人でも運営していける環境を目指し、ある企業と1年以上かけて開業の準備を進めていたそうですが…。
「残念ながら様々な理由により白紙になってしまいました。その後、二度目の渡仏を考えていたのですがコロナの流行で叶わず…。悩んだ結果、フリーランス時代の活動拠点としていたラボを改装してお店を開くことにしました。」

“万全ではない状態で開業できてしまったことが少し怖い”とnote(※)に綴っていた石渡さん。その後、心境の変化は…？
「やっぱり楽しいです。もちろん大変だけれど、お菓子を作って、お客様に喜んでもらえて…。いまこうして同い年の2人でお店を回すこともできているので、叶えたかったことに近いことができています。ただ、noteにも書きましたが近い将来またフランスに行きたいとは思っています。」

※note…クリエイターが投稿するコンテンツをユーザーが応援できるメディアプラットフォーム。

「デニムなので、さすがにペラペラのエプロンと比べたら着ている感がありますが、重さや首紐の硬さなどは全く気になりませんよ。他にはポケットの多さや位置も便利です。二人で回しているので、どうしても慌ただしくなる時があるんです。でも例えば電話を受けた後すぐにポケットにしまって目の前のお客様とお話したり、ダスターもすっぽりしまえる大きさがいいですね。胸のペン差しポケットもよく使っています。」

実はお二人が色違いで着けているマスクやヘアバンドは手作りなのだとか。「季節に合わせて変えてみても、ユニフォームのデザインがシンプルなので合わせやすいです」ともお話されていました。

「機能性の高いユニフォームを身に着けることはパフォーマンス向上の一因となります。またお店に合ったユニフォームはお店を一層華やかにしてくれるのではないでしょうか。」とお話してくださった石渡さん。最後に同年代や未来のパティシエールへメッセージを頂きました。
「SNSでよく相談のDMを頂くんですが、『為せば成る』とお伝えすることが多いです。この業界に入る人の多くがお菓子で誰かを幸せにすることが大好きで、夢を持っています。ですが、労働環境の過酷さに心を病んで夢を諦めざるを得なかったり、業界自体から去ってしまう人が多いこともまた事実です。でもそれは、例えば勤めるお店を変えることで改善できたりと、方法は一つではないと思います。なので、いろいろと挑戦してほしいな、と思います。」

新たな道を切り拓いていくお二人に、今後も目が離せません。（第7部 E.S.）

Patisserie Plaisiraile

• 東京都豊島区千早1-3-7
• 電車
  東京メトロ有楽町線、副都心線 要町駅より徒歩5分
  西武池袋線 椎名町駅より徒歩5分
• 営業時間：12：00～Sold Out
• 定休日：不定期（Instagram、Twitterにてご確認ください）