元の名を「萩荘(はぎそう)」と言い、築60年のアパートでした。隣接するお寺が大家さんで、東日本大震災のあと、耐震性や老朽化の懸念から取り壊しが決定。それを惜しんだ当時入居していた芸大の学生などから、建物のお葬式をさせてほしいということでイベントを開催したころ2週間で1,500人もの来場者がありました。建物自体に価値が無くなってしまっていたとしても、人を集めることの出来る空間であることが証明され、耐震補強などリノベーションを経て、「最小文化複合施設」としてカフェやアートスペースなどを併設した「HAGISO」が生まれました。「HAGI CAFE」はその中にあるカフェ部門です。
谷中の町を進んでいくと、真っ黒な外壁が目を引きます。建物内部はアパートだったことを彷彿とさせる空気が漂いながら、スタッフの皆さんが細部まで愛情を込め、この空間を楽しんでいることが感じられます。
HAGISOに入ってすぐにあるHAGI CAFE。古い建物だからこそ落ち着く空間。建築を勉強する学生が来店し、壁や梁などの建材についての質問をされることがあるといいます。
2階には「hanare」というホテルのフロントスペースが。実際のホテルは別棟で、そちらも古くなった民家をリノベーションした建物。宿泊して初めて谷中らしさを体感してもらう為のホテルだそう。その他に、谷中の住民の方々が毎日でも通えるようにというコンセプトの飲食店「TAYORI」もある。その他、建築事務所や教室事業など多岐にわたる業態を展開することで複合的に谷中の為にと活動するHAGISO。
取材時も、HAGI CAFEの横のスペースで、小さなアートの展示が行われていました。谷中という空気、建物の持つ味、そこで生き生きと働く若いスタッフの空気が融合し、とても活気が有る居心地の良い空間。
Coordinate
- 左女性:
Tシャツ QU7361-0、エプロン QT7354-8、キャスケット JW4697-9 - 中央男性:
エプロン(ヒッコリーストライプ) RT6901-1、ハンチング JW4668-0 - 右女性:
コート BA1056-6、エプロン QT7354-8、キャスケット JW4697-9
HAGISOではこれはやっちゃダメ、ということは無いそう。現場では個々のスタッフが責任をもって判断することになっている為、レスポンスも迅速。絵が描ける人や写真が撮れる人など色々なスタッフが増えてきていて、大抵のことは全てスタッフの皆で協力していいます。例えばカフェ内で、オペレーション上ここに棚が欲しい、と思えばHAGISO内の建築部門の人の手やアイディアを借りてすぐ棚制作を実行するなどがあります。部門・専門ごとの垣根はあるけれど、まるで挙手のように誰でも発起人になれ、それに共鳴するように他のスタッフが関わり合い、提案し合う構図になっているそうでした。成り立ちも、そこで働く若いスタッフ達の仕事スタイルも、一見すると分かりづらいのですが、ユニークでとても生き生きとした新しさがありました。(企画部 N.I.)
HAGI CAFE
- 東京都台東区谷中3-10-25 HAGISO
- JR山手線・日暮里駅北改札・西口より徒歩5分
- 地下鉄千代田線・千駄木駅・2番出口より徒歩5分
- TEL:03-5832-9808
営業時間
- 8:00-10:30(モーニング営業)12:00-21:00
- 定休日:不定休(※臨時休業あり)