パリの街角では今うどんと日本のユニフォームが注目の的です。
パリの中心、ルーヴル美術館やパレ・ロワイヤルのある第1区に、在留日本人はもちろん、生粋のパリっ子にも大人気のうどん店「国虎屋」があります。「まもなく開業25周年。初めはうどんなんて誰も知らなかったけれど、今では行列してくれるお客様の大半がフランスの方です」(店主/野本将文さん)
東京でフランス料理を学んだ野本さんは、調理師学校から紹介されたロンドンの料理店を足がかりに渡欧。次にパリへと移動し、本場の味を勉強しました。
「その後、実家が経営するレストランをリニューアルするため、故郷の高知県安芸市に戻りましたが、そこで看板商品にしようと創ったのがうどんでした」
白味噌スープの独創的なうどんは、たちまち地元の名物に。続いて、同じ安芸市内にフランス料理店をオープンしましたが、こちらも経営は順調でした。
「でも、その店を移転する必要が生じて、次はどんな店にしようか考えた時、“日本でフレンチをやるより、フランスで日本の味を広めたい”と思ったんです」こうして1992年、オペラ座の近くにうどんの店を開店。しかし当時パリは、湾岸戦争の影響で在留日本人が激減したうえ、景気もどん底の状態でした。
「最初の10年間は、とにかくパリに定着できるよう、最小限のスタッフでじっくりと営業していました」 やがて2000年代に入り、統一通貨ユーロが流通し出すと、景気も徐々に好転。国虎屋もそれまでの努力が実を結び、ファッション業界などから人気に火が着くと、たちまち行列のできる店へと躍進しました。
「現在はうどん店を移転・拡張したほか、ビストロスタイルの2号店を立ち上げ、より本格的な日本料理を提供しています。タイプの違う店にしたことで、一層幅広いお客様に来てもらえるようになりました」新店の設立を機に、スタッフのユニフォームも一新。全身を清潔感のある白一色でまとめました。
「フランスでは普通、お店が支給するのはタブリエ(前掛け)ぐらいで、あとは個々人が用意する。でも、それでは一体感もないし、清潔さも保てません」
国虎屋では全アイテムを店側が支給し、一括して管理。現地には制服の扱いに慣れたクリーニング店もありませんが、苦労の末にようやく質の高い業者を探し当て、洗濯やメンテナンスを依頼しています。「全スタッフが真っ白な揃いの制服で働く姿はおしゃれに映るようで、よくお客様が写真に撮っていかれますよ。他の飲食店からも真似したいと言われますが、良いユニフォームを手に入れるのも、しっかりと管理するのも、こちらではなかなか難しいですね」
パリでは繊細で奥深い和の味覚とともに、端正で衛生的な日本のユニフォームが注目され始めたようです。
Coordinate
Floor Staff
- シャツ QA7318-0(カスタマイズ加工)
- パンツ QL7331-0
Kitchen Staff
- シャツ QA7318-0(カスタマイズ加工)
- パンツ QL7331-0
- 帽子 JW4642-0