「マッテオ氏は日本にマリトッツオを紹介した有名なインポーターですが、この店では新たに“世界で最も薄いチョコレード”を発表して、話題となっています」(運営/MAISON B inc.渡辺さん)
マッテオ氏はナポリ伝統の薄い層状のチョコレートに着目。日本の工場に専用機械の開発を依頼すると、パティシエと相談しながら薄さの限界に挑戦しました。
「なにしろ世界初の挑戦なので、今の形にたどり着くまで1年以上、機械メーカーに何度も足を運んで、ミリ数の調整などさまざまな試作や研究を繰り返しました」(シェフパティシエ/三浦さん)
その結果、到達したのが0.03mm。それを小枝状に丸く重ねたのがこの店のスペシャリテ・コルテッチャ(イタリア語で“樹皮”の意)なのです。
「店のウィンドウ越しにつくるところをご覧になった方は、皆さんその薄さに驚かれますし、一度食べるとその独特な食感に、リピーターになってくださる方が多いです」(パティシエ/佐々木さん)
このコルテッチャやイタリアの伝統菓子のほか、この店では口溶けが自慢のジェラートも販売。
「マッテオ氏と親交のあるイタリアンジェラートの第一人者パオロ・ブルネッリ氏の許に、MATTEのパティシエが修業に行って、つくりあげた他では味わえないジェラートです」(渡辺さん)
「コルテッチャを練り込んだフレーバーが特に人気ですが、近くの学校に通うお子さんたちは、誰が一番に全種類制覇するか、競ってくれているようで嬉しいですね(笑)」(パティシエ/宇野さん)
そんなお店の皆さんの着るユニフォームは、現場に立つスタッフの皆さんがご自身で決めたもの。
「プロデューサーのマッテオさんが選んだ候補を、全部試着して決めました。チョコレートの店にふさわしい色味と、普段使いもできるという麻布台ヒルズマーケットのコンセプトに合った少しカジュアルな雰囲気を重視しました」(三浦さん)
コックコートより軽いことも、大切な選考基準です。
「フロントもボタンでなくファスナーなので、脱ぎ着しやすくて助かっています」(佐々木さん)
「しっかりしているけれどごわつかず着心地がいい、理想的な仕事着ですね」(販売スタッフ/栗山さん)
photographs by yuu kamimaki