建物と制服の統一感がやすらぎの空間をつくっています。
昨年、5年余りに及ぶ保存・復原工事を終えた、東京駅丸の内駅舎。その中にある開業100周年目前の名門・東京ステーションホテルも、営業を再開しています。
「今回のリニューアルの目的は、東京大空襲で焼失した3階部分やドームを再建するとともに、全体を駅舎の外観と調和するヨーロピアン・クラシックに統一し直すことでした」(総務人事担当/天野さん)
Coordinate
- オーダーメイド
改装されたホテル内部は、エントランスホールから廊下、約2.5倍に増設された客室まで、すべて白が基調の伝統的なデザインでまとめられています。「それに合わせて、エントランスに立つスタッフの服装も、クラシカルな雰囲気に致しました」(天野さん)
最近はジャケットなど平易なものが多いドアマンの服装ですが、こちらではコートからシルクハットまでセットになったフォーマルなユニフォームです。
「写真を撮らせて!!とおっしゃるお客様が多くて(笑)。注目されているので、それに恥じない接客を…と気を引き締めています」(ドアマン/達可さん)
ベルスタッフの制服も、キャップまできちんと被るトラディショナル・スタイル。「ヨーロッパ風のおしゃれな建物によく調和していますし、見た目以上に動きやすいこともあって、とても気に入っています」(ベルガール/古川さん)
このエントランスの隣は、改装により拡張されたロビーラウンジ。その優雅で落ち着いた雰囲気は、駅舎の中であることを忘れてしまうほどです。
「ここでサービスをしているスタッフは、他のレストランやバーでも臨機応変に接客ができるよう、制服を共通にしているんです」(料飲支配人/山岡さん)
新設のメインダイニングや2つのバー、駅中央部・屋根裏につくられたゲストラウンジ…。これらの空間では内装もそこで働くスタッフの制服も、すべて統一したイメージに基づいて構成されています。「日本一の発着本数で賑わう東京駅だからこそ、一歩ホテルに入ったら心からくつろいでいただきたい。歴史と新しさが融合した空間と、それに調和する制服で行う心暖まるサービスで、外の喧噪を忘れるやすらぎのひとときをご提供したいと思います」(山岡さん)
東京駅という立地、大改装、そして約1世紀の歴史…今ここは確実に、日本一注目されるホテルです。
「その期待と緊張感は常に感じていますし、自分たちの1つ1つのサービスが新たな歴史になると自覚して、日々仕事に励んでいます」(料飲スタッフ/川上さん)
photographs by yuu kamimaki