選べる自由があるとお店の雰囲気も楽しくなると思うんです。
食料品支出でパンがお米を上回ったと言われる昨今、ますます増えているのがハイレベルなベーカリー。中でも究極の一店が2013年6月、銀座に開店しました。「セントル ザ・ベーカリー」はパンドゥミ、いわゆる食パンのみを販売する専門店です。「毎朝の食パンも素材にこだわり、技術を駆使すればこんなにもおいしくなる、と皆様に体験していただきたくて、オープンしたのがこのお店です」(店長/高田さん)
販売するのは、3種類の食パンのみ。小麦粉へのこだわりに加え、湯種・液種という2つの手法をあえて併用することで、独特の食感や甘やかさを出すのだと言います。
「お並びいただくのは心苦しいですが、一番おいしい“焼きたての冷めたて”をご提供するため、焼き上がるまでお待ちいただくことがあります」(販売担当/酒井さん)
Coordinate
- シャツ CU2696-1
- 胸当てエプロン RT6803-0(カット加工)
- パンツ DL2939-6
販売のほかにカフェも併設されており、そこでは食パンをユニークな方法で味わうことができます。各国から取り寄せたバラエティ豊かなトースターから、好きなものを選んで、自分で焼いて食べるのです。「イギリスやイタリア、フランス、日本のものを含めて、それぞれのマシンにも個性があります。焦がしてしまったら、新しいパンをお出ししますので、是非ともいろいろ挑戦していただきたいですね」(高田さん)
そのほかのメニューも、もちろん充実。一番のお薦めは、やはりサンドイッチです。
「食パンの専門店である以上、究極のサンドイッチをめざしています。どの具材にはどのパンが合うのか、パンの厚さはどのくらいか、どんな味付けがいいのか…徹底的にこだわっています」(料理長/高橋さん)
レストランの客席からは、そんな料理人やパン職人達の活躍がすべて見渡せます。「パン好きなお客様のために、工房やキッチンがよく見えるよう、店内はすべてフラットな作りにしてあります。パン工房の仕切りも、足許までガラスなんですよ」(高田さん)
ガラス越しに見える職人さん達のコックコート姿は、まるで社会科見学のよう。一方、ホールや販売を担当するスタッフさんの服装は、動きやすさを最優先にしたような、非常にラフなスタイルです。
「あまりにラフな恰好で、初めは“これでいいの?”と思いました(笑)。でも着心地は最高だし働きやすいし、今は本当に気に入っています」(ホール担当/藤井さん)
トップスのシャツは色もデザインも異なるものが2種類用意されていて、その日の気分でどちらを着ても自由なのだとか。
「トースターもそうですが、選べる自由がある方が楽しいでしょう。お客様に純粋にパンを味わってもらうためにも、にこやかな雰囲気でお迎えしたいんです」(高田さん)
ひとつのものにこだわりを持つユニークなお店には、それを最高に際立たせるための独自のスタイルがあるようです。
「パン工場の直売所みたいなものをイメージしてもらえると、楽しいと思うんですよ。ユニフォームからもそんな雰囲気を感じ取っていただければ、嬉しいですね」(酒井さん)