清潔さを表わす白。ユニフォームの中には様々な白があります。
殊に「蛍光晒の白」と呼ぶ青みを帯びた白は、私達が普段私服としてはなかなか着ることのない白です。様々な事象が起きる現代で、心情的に疲れてしまう私達を癒すナチュラルでカジュアルなオフホワイトや生成りの様な白の色が注目されていますが、その対局でもあるキリリとした清潔感を表わす蛍光晒の白には、実は安心感をもたらしてくれる役割があるかもしれません。
蛍光晒の白はまさにユニフォームならではの白。弊社デザイナーの一人は入社した頃を振り返り、一般アパレルには使われないその白に戸惑った程だと言い、その特別な存在感が印象的だったと話します。
多くは食に携わる職種向けの白衣やコートに用いられ、弊社の商品の中でもいくつも使用しています。蛍光色の様に青白く光るような蛍光晒の白は、元々は「しっかりと洗濯され衛生が保たれている」ということを一目で表わす色として広く活用されてきました。例えば給食の白衣や和の白衣、研究職用のカウンセラーコートなどがその白を用いています。
写真
左:オフホワイト
- コックコート QA7332-0(C-train)
- 超長綿ギャバジン(オーガニックコットン100%)
中央:蛍光晒
- 女性用コート AA740-8
- ブロード(ポリエステル65%・綿35%)
右:ホワイト
- コックコート AA498-0
- ツイル(ポリエステル65%・綿35%)
その白は、「蛍光増白剤」によって繊維を染めることで実現しています。蛍光増白剤には、太陽光中の紫外線を吸収し、青色の可視光線に変えて放出するという作用があり、ここで発生した青色光を蛍光と呼びます。蛍光を発する染料で繊維を染めることで目に見える明るさを損なわない上、青の補色である黄色の黄ばみを目立たなくする作用があります。常に清潔さを保つことが大前提である職種において、衛生さをより誇張して表現することは、見る人には安心感を、着る人には衛生への注意喚起を呼び起こさせる作用もあります。
2000年代以降、時流によって徐々にそんな無機的な冷たさを感じるような白が好まれなくなり、弊社においても新たに使用する商品は少なくなりました。そんな中でも20年以上変わらずご愛用いただき作り続けている商品で、未だにこの蛍光の白色をかなり強めに発色させているものもあります。(写真:どちらも白色として販売している商品)
2000年代以降、時流によって徐々にそんな無機的な冷たさを感じるような白が好まれなくなり、弊社においても新たに使用する商品は少なくなりました。そんな中でも20年以上変わらずご愛用いただき作り続けている商品で、未だにこの蛍光の白色をかなり強めに発色させているものもあります。(写真:どちらも白色として販売している商品)
世界的なウィルスの蔓延により、意識が過敏になっている今。ハッと目を引き人々にONの状態を促す蛍光晒の白。心を安らげてOFFの状態を促すナチュラルな白。どちらも着る人の姿勢を表わす白。今まであまり深く考えることのなかった白という色に含まれたメッセージを、場面を見極め、その場に応じて使い分ける必要性に今一度気づかされます。
「白」という色に限らず、ユニフォームにおける気づきを、これからも掘り下げてご紹介して参ります。
(企画部 N.I.)
「白」という色に限らず、ユニフォームにおける気づきを、これからも掘り下げてご紹介して参ります。
(企画部 N.I.)